軽貨物ドライバーとは
軽貨物ドライバーとは、主に軽バン(ワンボックスカー)を使って個人事業主として集配業務を担うドライバーになります。
資格は普通自動車の免許のみで、開業資金や開業方法も簡単なのが特徴です。
昨今のインターネットショッピングの普及によって小型の荷物が増えている時代背景から軽貨物ドライバーとして開業する人が増えています。
また2022年10月からは軽貨物車両の自由化もスタートしドライバー人口が増えることも予想さています。
そんな軽貨物ドライバーの具体的なお金の事や仕事の事、必要になる道具のことについてまとめましたのでこれから現場にデビューする初心者ドライバーは参考にしていただければと思います。
開業の為に行く場所は2カ所
- 運輸支局
- 軽自動車検査協会
軽貨物ドライバーとして開業する為には、開業の届け出を行う場所が2カ所あります。
まずは、開業する場所を管轄している運輸支局へ行って必要書類の提出を行います。
書類に不備なければ控えをもらえるので、その控えを持って軽自動車検査協会で営業ナンバー(黒いナンバープレート)を発行してもらいます。
どちらもあらかじめ書類を作っていけば10分程度の時間で済みます。
費用は軽自動車検査協会で営業ナンバーを発行してもらう1,440円のみ必要になります。
なお、軽貨物車両の自由化がスタートしても営業ナンバーの取得は必須です。
開業資金の目安は50万円~200万円
項目 | 費用 |
---|---|
軽貨物自動車 | 1,200,000円 |
カーナビ | 30,000円 |
台車 | 10,000円 |
事業用ナンバープレート | 1,500円 |
駐車場代 | 10,000円 |
合計 | 1,251,500円 |
軽貨物ドライバーとして開業する為の資金の目安は50万円~200万円になります。
かなり金額に幅がありますが、これは開業にかかる資金の大部分を占める軽バン費用によって金額が大きく変わる為です。
既に軽バンを所有している方であれば、新たに自動車を購入する必要はなく軽自動車検査協会で営業ナンバーに変更する手続きを行えばよいだけです。
なので初期費用としては50万円~200万円になりますが、これ以外にも運転資金(経費)としてガソリン代や高速代、駐車場代が必要になります。
主な案件受注方法
- 委託会社から紹介してもらう
- ギグエコノミーとしてアプリを使う
- 直接荷主に営業する
主な案件の受注方法は上記3つになります。
委託会社とは、荷主とドライバーの間に入ってドライバーに案件を紹介してくれる営業会社になります。
ギグエコノミーとは、インターネットを使って単発の仕事を受注する働き方で、軽貨物でもスマートフォンのアプリを使って案件に応募して案件を受注することができます。
直接荷主に営業して案件を獲得しているドライバーもいますが、この方法は古くからの軽貨物業界でのネットワークなどを活かした方法になりますので、これから開業するドライバーにとっては敷居は高いかもしれません。
ただ、委託会社・ギグエコノミーでの案件では紹介手数料が差し引かれるのに対して、直接営業では紹介手数料分も自分のものになりますので、収入は大きくなります。
ぶっちゃけ稼げるの?
稼げる、稼げないで言ったら稼げます。
ただ、稼げる金額はドライバーのスキルによるところが大きいのが事実です。
スキルの高いドライバーであれば70万円~80万円稼ぐドライバーもいます。
また、運送業の業界では繁忙期(3月・7月・8月・12月)、閑散期(1月・2月・4月)によっても稼げる金額は大きく変わってきます。
このように軽貨物ドライバーは個人事業主になるので、働いたら働いた分だけ収入になります。
なお、詳しい案件の特徴に関しては別ページでまとめてありますので、そちらをご覧ください。
配送で必要になる道具リスト
- 台車
- カーナビ
- 伝票をまとめるクリップ
- 消臭スプレー
- 雨の日用のカッパ
- ハンズフリーイヤホン
主に必要になるのは上記6点です。
特に最近では、ドライバーの臭いがとても厳しくいわれていて、タバコを吸われる方は消臭スプレー(ファブリーズやリセッシュなど)は必需品になります。
また台車はピンからキリまでありますが、軽貨物ドライバーとして長くやっていくなら最初から耐荷重のある丈夫な台車を選ぶことをおすすめします。
カーナビに関しては価格というよりも機能性が大切で、地点登録や地図更新頻度などが大切になります。
この他、案件によっては制服が用意されていない所もあるので、その場合は自分でスラックスやポロシャツを用意する必要があります。
加入すべき保険
軽貨物配送ドライバーとして活動する為には自賠責保険、任意保険の他に貨物保険という荷物に対する保険に加入することをおすすめします。
貨物保険とは、貨物が予期せぬ事故で損害を受けた場合に、その損害額を補償してもらえる保険です。
貨物保険は強制的に入らなければいけない保険ではありませんが、運ぶ荷物によっては高額な品物もあるのでほとんどのドライバーが加入している現状です。
ただ保険料は高いです。
貨物保険に入らずに軽貨物ドライバーとして活動したい方は、委託会社やギグエコノミーを運営する会社がドライバーに貨物保険を付帯している所がありますので、そのような会社で仕事を紹介してもらえば個人で貨物保険に加入する必要はありません。
2023年10月1日よりインボイス制度開始
2023年10月1日から導入される新しい仕入税額控除の方式『インボイス制度(適格請求書等保存方式)』が開始されます。
インボイス制度は登録制で任意ですが、今後軽貨物ドライバーとしてやっていくなら登録必須です。(副業も対象)
ただし、インボイスに登録することで消費税の支払い義務が発生するなどドライバーにとってデメリットにもなりえる制度です。
別ページで軽貨物ドライバーとインボイス制度の関係を図解を使って簡単に解説してありますので、そちらのページもご覧ください。
軽貨物ドライバーは甘くないけどやりがいのある仕事
最近はYouTubeなどでも目にすることが多くなった軽貨物ドライバーですが、そんなに甘い世界ではありません。
働いたら働いぶんだけ収入は上がりますが、裏を返せばケガや病気などで働けなくなってしまったら収入はありません。
また、案件によっては配達完了個数によって収入が決まってくる現場もあります。
このような現場はスキルの高いドライバーにとっては稼ぎやすい現場となりますが、これから始める方にとっては大変厳しい現場となります。
ただ、これは軽貨物ドライバーだけでなく、どこのフリーランスでも言えることになります。
普通自動車免許のみで開業できて、初期費用もそれほどかからない軽貨物配送ですので、是非とも長い目で自分のスキルを高める頭を持って取り組むことをおすすめします。