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駐車禁止違反(駐禁)とは
- 駐停車禁止標識や標示のある場所
- トンネルの中
- 交差点とその側端から5メートル以内の部分
- 道路のまがり角から5m以内の部分
- 横断歩道、自転車横断帯とその側端から前後に5m以内の部分
- 安全地帯の左側とその前後10m以内の部分
- バス、路面電車の停留所の標識板(標示柱)から10m以内の部分
- 踏切とその側端から前後10m以内の部分
- 軌道敷内
- 坂の頂上付近
- 勾配の急な坂道
駐車禁止違反とは、道路交通法で定める駐車を禁止する場所で駐車、又は停車した車両に対して行う行政処分になります。
駐車禁止違反では放置駐車違反(すぐに動かすことができなかった違反)と駐停車違反(すぐに動かせたが動かせなかった違反)の2種類があり、それぞれ罰則も変わってきます。
また取締られた場所が駐車禁止場所なのか駐停車禁止場所なのかでも罰則が変わります。
軽貨物自動車が取締られた場合の例をご紹介します。
駐車禁止場所で放置駐車違反で取締られた場合は、罰金として1万5千円が課せられることになり2点の減点と、駐停車禁止場所では1万8千円が課せられることになり3点の減点となります。
駐車禁止場所で駐停車違反で取締られた場合は、罰金として1万円が課せられることになり1点の減点と、駐停車禁止場所では1万2千円が課せられることになり2点の減点となります。
ちなみに駐車禁止違反で取締られた車両には、放置車両確認標章という黄色いシールが貼られます。
駐禁の取締りにあった際の行動
警察に出頭する(罰金+減点)
駐禁を取締られたら放置車両確認標章を持って、違反場所を管轄する警察署(交通課)に出頭するケース。
出頭する警察は、駐禁の取締りを受けた場所を管轄する警察署です。
警察署に出頭するケースでは、罰金と減点のダブル処置が課せられます。
2006年以前の駐禁後の対応は原則、警察に出頭する以外ありませんでした。
警察に出頭する場合は平日の午前8時30分から午後3時30分までです。(土曜日・日曜日・休日及び年末年始は閉庁日です。)
警察では免許証の確認と罰金を収める手続きで5分~10分程度の時間が必要になります。
ちなみに警察では罰金を支払うことはできず、納付書を発行してもらって金融機関で支払う流れとなります。
放置違反金の仮納付書が届いてから違反金を支払う(罰金のみ)
2006年に施行された『放置駐車違反金制度』によって、駐禁に対する罰則が運転者から車両の使用者(車検証等の車両登録上の使用者)に重きを置いたものに改正されたことで、警察署に出頭しないケースでも対応できるようになりました。
駐禁取締り後、数日したら自宅に『放置違反金の仮納付書』が届くので、その納付書をコンビニや指定金融機関に持っていって罰金を支払います。
放置違反金の仮納付書による対応では、罰金のみで減点の処置はありません。
なので駐禁を取締られてしまっても、むやみに警察に出頭せずに仮納付書で対応することをおすすめします。
駐車監視員(緑のおじさん)の取締り内容
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- ①違法駐車を発見する
- 車が違法な止め方(場所)であるかどうかを標識などで確認します。
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- ②車内確認
- 車内に人がいるか確認します。
窓のフィルム透過率が低い車では、窓越しに車内をのぞき込んで確認します。
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- ③車の撮影
- 後部からデジカメで1枚、車全体の撮影をします。
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- ④ナンバーの撮影
- 前後のナンバープレートをデジカメで撮影します。
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- ⑤PDAに入力
- PDA(携帯端末)に、ナンバープレート情報、違反項目、駐車違反を確認した時間、標識から何メールトル離れているのかなどの詳細な情報を入力します。
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- ⑥略図の作成
- 駐車違反車両の取り締まりをした場所の略図を作成します。 ※PDAとは、
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- ⑦PDA情報をプリント
- PDAに入力した情報を、手持ちのプリンタで確認標章を印刷します。
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- ⑧確認標章の貼り付け
- 確認標章を違反車両のフロントガラスに貼り付けます。
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- ⑨車の撮影
- 確認標章を貼り付けた車を前方からデジカメで撮影します。
駐禁は警察官、交通巡視員、駐車監視員が取締りにあたっています。
駐車監視員とは、国家公安委員会規則で定められた駐車監視員資格者認定考査に合格して駐車監視員資格を取得した人になります。
特徴としては、2人以上で行動し、腕に『駐車監視員』の腕章と緑色の帽子、緑色の制服を身にまとっています。
警察署長から取締りの一部(確認事務)の委託を受けた法人に所属していて、放置車両の確認や確認標章の取付けなどの仕事を行っています。
駐禁を取締る場所は、警察署長が住民等の意見、110番等の要望や苦情、交通事故の発生状況、日常の駐車の実態等を勘案して指定した地域・路線をまとめたガイドラインを重点的に徘徊しています。
駐車監視員の取締り内容としては、上記の9項目で所要時間は3~5分になります。
確認標章の貼り付けまで実行されてしまうと、いくら取締りの撤回を求めても受けてくれません。
反対にPDAの入力までに車に戻ってくれば、取締られることはありません。
ちなみに駐車監視員の勤務時間は8:00~17:00(地域によって前後します)なので、17:00以降は比較的駐車禁止違反となりにくいです。
違反金を払わないと滞納処分(差し押さえ)
前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに放置違反金並びに同項後段の延滞金及び手数料(以下この条及び第五十一条の七において「放置違反金等」という。)を納付しないときは、公安委員会は、地方税の滞納処分の例により、放置違反金等を徴収することができる。この場合における放置違反金等の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
道路交通法第51条の4第14項
駐禁の取締りにあったら、警察に出頭して納付書をもらうか仮納付書によって支払うかする義務がありますが、その支払いを無視していると自宅に督促状が届きます。
この督促状も無視していると、道路交通法第51条の4第14項に基づき財産の差し押さえなどによって強制的に延滞金の支払いが実行されます。
放置違反金には延滞金として14.5%の年利が発生することになります。
また、放置違反金の納付を行わ依ない事で車検を受けることができません。
放置違反金は、速やかに支払いましょう。
ドライバーに有効な駐禁対策
敷地内(車止め)に駐車or停車する
大きなマンションなどの配達であればマンションの敷地内に車止めがある所も多いので車止めに駐車することで有効な駐禁対策となります。
車止めとは、駐車スペースのことを指しますがマンションによってはちょっとした荷物の上げ下ろし作業用や配達ドライバーの為に入口付近に車が入れるスペースも車止めと呼ばれています。
車止めに駐車or停車することで駐車禁止を課せられることはありません。
ただし、配達ドライバー用の車止めには時間制限があるマンションも多いので長時間(30分以上が目安)の駐車は控えるか、あらかじめマンションの管理人に一言いっておくと安心です。
助手席バイトを使う
駐禁対策として、最もオーソドックスで最も効果が高いのは助手席バイトを使う事です。
助手席バイトとは、ドライバーが運転席を離れている間に助手席に座って待機することになります。
運転席を離れて作業することが多いドライバーは、頻繁に助手席バイトを使ってますね。
ドライバーの中には奥さんや友人を駐禁対策として助手席に乗せているケースもよく見られます。
車内に人がいれば駐禁で取締られることはありません。
ナンバープレートを隠す
ちょっと変則的な駐禁対策としてはナンバープレートを台車や袋、ガムテープなどで隠してしまう方法もあります。
駐車監視員は車に触れることはできても、ドライバーの所有物を動かすことはできないのでナンバープレートが見えないとPDAに必要事項が入力できず取締りが行えない事になります。
ただ、この場合には駐車監視員は警察に連絡して警察が駐禁の取締りを行う事になります。
駐車監視員には反則告知をしたり、車の移動を命じる権限がありませんが、警察にはその権限がある為ナンバープレートを隠しても駐禁対策とはなりません。
ただ、駐車監視員が警察を呼ぶ時間なども必要になるので、数分であればナンバープレートを隠すのも駐禁対策としての効果はあります。
愛車見守りアプリを使う
最近では、駐禁対策としてアプリを活用する人も増えてきました。
代表的な駐禁対策アプリとしては『駐禁ハチ公』があります。
駐禁ハチ公は、専用のスマホを外が見えるようにセットしたら、街中の緑色を自動でキャッチしてメールによって知らせてくれます。
ただ、専用のスマホが必要な点やインターネット回線(wifi)が必要な点はネックになります。
駐禁ハチ公はiOSアプリ、Androidアプリに対応しています。
5分以内に戻ってくる
配達中の駐禁までの路駐時間は何分を目処にしてる?
— かるかも【軽貨物】🦆 (@karukamo1) December 30, 2021
裏技知ってる人はリプで教えてくれると嬉しいです🙇♂️
これはあくまでも目安になりますが、駐車監視員が違反車を発見してから確認標章をフロントガラスに貼り付けるまで大体5分程度の時間が必要になります。
そのため、一回の配達時間を5分以内にすることで駐禁の取締りリスクをグッと抑えることができます。
ただし、駅前や都心部などは駐車監視員が違反車探しにグルグル巡回しているので、運が悪ければ5分以内であっても駐禁の取締りに逢う事もあります。
これは私の体験談になりますが、駅前ビルへの納品で納品先で少しばかり待たされて戻ってきたら確認標章を貼られていました。
時間にしたら3~4分になります。
このように、駐禁の取締りが厳しい箇所はありますが、住宅街などでは駅前や都心部ほど厳しくないので5分以内を目安に配達を終わらせるようにしましょう。
もしも、大型マンションなどで一度の配達が多くなりそうであれば、こまめに車に戻ることをおすすめします。
半年の間に同じ車両で3回以上駐禁したら車両使用制限の処置がある
車両の種類 | 使用制限の期間 |
大型自動車・大型特殊自動車又は重被牽引車等 | 3ケ月以内の期間 |
普通自動車 | 2ケ月以内の期間 |
大型自動二輪車、普通自動二輪車 小型特殊自動車又は原動機付自転車 | 1ケ月以内の期間 |
同じ車両で、半年の間に3回以上の駐禁の取締りにあった場合(実質4回目の違反で)、その全てを同一の人物(責任者)が違反金を支払った場合に車両使用制限(運転禁止)の処置があります。
軽貨物の場合の車両使用制限は2ケ月以内の期間です。
また、その車両の使用制限命令を受けるに当たり、使用者は公安委員会による『聴聞(ちょうもん)』という手続が行われます。
『聴聞』とは、車両の使用制限命令を行う前に、その車両の使用者が出席して意見を述べたり、証拠書類を提出したりすることです。
半年で3回は取締りの厳しい都内では、可能性のある回数です。
初めての納品先では無理をせずに、パーキングに停めるなどして対処しましょう。
都内に8時間ほど駐車して取締まられなかった方法
これは駐禁対策として効果があるか分かりませんので参考程度にお読みください。
私が軽貨物配送の会社でドライバーの管理を担当していた時の話になります。
ドライバーが業務中に文京区で車のトラブルで動かなくなってしまったと連絡があり、私が車で駆けつけました。
私もドライバーの業務を経験したことがなかったので、ドライバーを私の車に乗せて業務を行う事になりました。
ただ、業務中で時間がなかったのでドライバーの車をどうするか悩んでいる時に、ドライバーがダッシュボードに『突発的な事故により車を移動する事ができなくなりここに停めています。もしも移動の必要がある時にはこちらまで連絡お願いします。』と、携帯番号と名前を書いたメモ書きを置きました。
こんなメモ書きに何かの効力があるのか、かなり心配ではありましたが、文京区の国道沿いに駐車して業務に戻ることになりました。
その後、業務をこなして約8時間後にドライバーの車に戻ると駐禁の取締りにあっていませんでした。
場所的に駐車監視は必ず徘徊している区域になりますので、ダッシュボードのメモ書きになんらかの効力があったのかもしれませんが、真相は分かりません。
ちなみにこれは2015年くらいの出来事になります。
もう一度言いますが、こちらの方法は駐禁対策として効果があるか分かりませんので参考程度に留めておくことをおすすめします。
駐禁にはくれぐれも気を付けて業務にあたりましょう
軽貨物ドライバーは駐禁と上手く付き合っていかなければいけません。
ただもしも取締りにあってしまったら、罰則から逃れることはできませんので、仮納付書が自宅に届き次第速やかに支払うようにしましょう。
警察への出頭は減点対象にもなるので仮納付書が届くまで待って、仮納付書が届いたら行動するようにしましょう。
まだ業務に慣れないドライバーは配達することに頭がいっぱいで駐禁まで頭が回らないかもしれませんが、取締りにあえば罰金として1万円~1万8千円を支払わなければいけなくなります。
この額は一日の売上と同程度になることを考えれば、とても大きな金額です。
今回ご紹介した駐禁対策も参考にしていただき、業務にあたるようにしましょう。
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