私は軽貨物配送の会社でドライバーを管理する仕事に6年ほど正社員として従事しました。
その為、さまざまなドライバーの働き方を見てきたわけですが、インターネット上にはドライバー目線の情報が多い印象です。
なので元軽貨物配送会社の正社員という目線からドライバーのメリット・デメリットをご紹介してみようと思います。
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軽貨物ドライバーのメリット
仕事が合わなかったらすぐに変えられる
軽貨物ドライバーの仕事は、基本的に契約期間などがないので仕事が合わないと感じたら、すぐに変えられます。
サラリーマンのように我慢せず仕事ができるのはメリットでしょう。
ただ、最初から自分に合った仕事に付けるとは限りませんし、最初のうちは慣れない業務もあるので大変な事は念頭に置いておきましょう。
また、委託会社から仕事を紹介してもらっている場合、短期間で仕事を変わると次から仕事の紹介をしにくくなります。
私は、ドライバーに仕事を紹介していた側でしたが、やはりせっかく荷主様に紹介したドライバーが数日で来なくなって、新しいドライバーに変わっていたら印象が悪くなります。
すぐに仕事は変われますが、その際は委託会社と相談して変わりのドライバーの手配や荷主様の状況を汲んだ行動を行うようにしましょう。
短期間で大きく稼げる可能性がある
軽貨物ドライバーの仕事は基本的に配達した個数や稼働時間に応じて給料が決まります。
なので働けば働くだけ、給料が増えます。
稼ぐドライバーは100万円程度の給料を得ていました。
しかも、このような大金が短期間(配達スキルの高いドライバーは2~3ヵ月程度)で、稼げるようになります。
サラリーマンであれば毎月の給料は安定していますが、100万円を稼ぐサラリーマンは極々少数ですし、長期間勤めあげて得られる金額ですよね。
短期間で大金が稼げる可能性にメリットを感じて軽貨物ドライバーに転職する方も多くいらっしゃいました。
簡単に開業する事ができる
軽貨物配送事業は事業用の自動車と普通免許さえあれば誰でも始めることができます。
フリーランスで始める方は税務署に個人事業の開業・廃業等届出書の提出と運輸支局に軽貨物運送事業の届け出と事業用軽貨物の登録を行った後、軽貨物検査協会で事業用ナンバー(黒ナンバー)に変更することで開業する事ができます。
委託会社でリース車などを借りる場合には、これらの開業の手続きは必要なく始めることもできます。
飲食店の開業のように、立地の良い店舗を見つけてまとまったお金を用意する必要はありません。
満員電車に乗るストレスから解放される
ドライバーは自分の車で現場に直行直帰するので満員電車に乗るストレスから解放されます。
車内では、好きな音楽やDVD、飲食、タバコなどを楽しむことが出来ます。
その反面、車通勤は渋滞による大幅な時間のロスも考えられます。
ただ、渋滞が発生しやすい道や時間帯を避けて、行動する事で回避することができます。
軽貨物ドライバーのデメリット
拘束時間が長い
一般的な運送会社の社員の労働時間はコンプライアンスなどの面から過度な労働時間を強いられなくなくなりましたが、委託業者である軽貨物ドライバーは朝早くから夜遅くまで、時間にすると12時間程度稼働しています。
これに加えて出勤時間で往復2時間程度必要になるドライバーも多くいましたので、一日14時間も拘束されることになります。
高単価案件もまれにありますが、基本は時給1,500円程度になります。
効率よく短時間で稼ぎたい人には、軽貨物ドライバーは向かないと思います。
ケガや病気などで稼働できなくなったら収入がなくなる
やればやっただけ稼げるのが軽貨物配送のメリットですが、逆に言えば稼働しなければ収入はゼロです。
ケガや病気などで稼働できなくなってしまったら、一気に生活は困窮するでしょう。
しかも、軽貨物配送の仕事は基本的にフォークリフトなどは使わずに手積みですので、腰にも負担がかかります。
ケガをするリスクが高い仕事だということは念頭に置いておくべきでしょう。
長く軽貨物の仕事に取り組まれているドライバーは、年齢と共にケガのリスクを考慮してスポット便やチャーター便を仕事の中心にしてリスク回避に努めていました。
ちなみに、急にケガや病気で稼働できなくなってしまったら、代わりのドライバーの手配も自分で行わなければいけません。
配送業の他に雑務もこなさなければならない
軽貨物ドライバーは、個人事業主になるので毎年確定申告を行わなければいけません。
また、荷主との請求書のすり合わせ、その後の請求書作成・発送なども行わなければいけません。
このように個人事業主として開業すると配送以外のさまざまな雑務もこなさなければいけません。
ただ、委託会社へ所属するとこれらの雑務を代行して行ってもらえます。
経費がかかる
軽貨物ドライバーは、経費も自分持ちです。
主な経費としては、ガソリン代、事業用軽貨物の任意保険代、車のメンテナンス代(タイヤ交換・オイル交換・ワイパー交換など)があります。
特にガソリン代は毎月かかる経費でバカにできません。
どのような配送業務に就くかによってもガソリン代は変わってきますが、宅配であれば毎月2~3万円、スポット便やチャーター便であれば4~5万円のガソリン代が毎月かかります。
その他、駐車禁止違反の罰金なども当然自分で支払う事になります。
交通事故のリスクが高い
軽貨物配送業務の特徴でもありますが、小回りが利く分狭い路地や人通りの多い駅前などにも頻繁に配送を行います。
夜間は視野も狭くなりますし、ナビを見て運転する事も多くなります。
また、停車したり発車したりを繰り返すのも交通事故リスクが上がる要因となっています。
このように、軽貨物配送の仕事は交通事故のリスクが高い仕事になります。
慣れているドライバーでも一年に1回は交通事故を起こしていました。
軽貨物ドライバーでゴールド免許のドライバーは超貴重です。(私は出会ったことがありません)
守ってくれる人や会社がない
サラリーマンであれば、何かミスをしても最終的な責任は上司や会社がとってくれます。
しかし、軽貨物ドライバーはミスをしたら自分で責任をとっていかなければいけません。
具体的に言えば、荷物を紛失してしまったらその荷物を弁償することになります。
配達先の車や家を傷つけてしまったら、実費で補修することになります。
寝坊して遅刻して、配達先に損害を与えたら補償することもあります。
このように自分のミスは自分で責任をとっていかなければいけません。
軽貨物ドライバーと言えど、個人事業主であり、一人の社長だということを認識していないと務めることはできません。
正社員として軽貨物会社に就職した感想
最後に、正社員として軽貨物会社に就職した私の感想をまとめます。
一言で言えば、正社員で働くならドライバーとして稼働するほうが割がいい、ということです。
ただし、正社員のメリットとしては安定した固定給だったり社会保険、厚生年金などがあります。
配車依頼などで他軽貨物会社の社長や正社員とも繋がりやすいのもメリットです。
そして、軽貨物企業の財務が知れるというのも大きなメリットです。
毎月どれくらいの経費(事務所家賃、人件費、ガソリン代、接待交際費)がかかっていて、どらくれいの売上があればやっていけるかの体験をすることができます。
大企業になると財務を見る機会はあまりないかもしれませんが、中小企業では正社員もコスト意識を持って働くことが要求されます。
単にお金を目的として軽貨物事業を行うのであればドライバーをおすすめしますが、安定や将来の起業を目指す人には正社員をおすすめします。
デメリットを吹き飛ばす情熱がある人は是非チャレンジしてみよう
軽貨物ドライバーのメリットを4つ、デメリットを6つご紹介しました。
どんな仕事にもメリット・デメリットはあるかと思いますので、これから軽貨物配送を始めようと検討している方はしっかりとデメリットを考慮して業務に就くようにしましょう。
最後に、これらのメリット・デメリットを踏まえて、軽貨物ドライバーという仕事はおすすめかと聞かれると、私にはとても居心地の良い仕事でした。
ただ、やはり向き不向きはあると思うので、まずは委託会社に所属して仕事を紹介してもらって、実際にやってみることをおすすめします。
委託会社で稼働する分には、煩わしい手続きも初期費用もかからず取り組めます。
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