軽貨物業を開業する時、個人事業で開業するべきか最初から法人化して開業するべきかお悩みの方もいらっしゃるかと思います。

または順調に売上が伸びてきたから、そろそろ法人化と考えている方もいるかもしれません。

しかし、安易に法人化するのはおすすめしません。

このページでは軽貨物業の法人化タイミングやメリット・デメリット、法人化にかかる費用などについてご紹介していますので法人化の参考にどうぞ。

最初は消費税免除期間を最大限使うのがおすすめ

消費税の基準となる期間

基準期間:消費税の納税義務を判定する年の前々年の1月1日~12月31日

特定期間:消費税の納税義務を判定する年の前年の1月1日~6月30日

※開業1年目の場合、判断材料となる基準期間および特定期間における課税売上高が存在しないため、自動的に免税業者(消費税が課税されない事業者)となります。

まず一番最初に考えるべきことは消費税免除期間です。

消費税は基準期間・特定期間どちらかの期間で売上が1,000万円以上になると消費税の支払い義務が発生します。(資本金が1,000万円以上の法人は消費税支払い義務が1年目から発生します)

基準期間で1,000万円の売上が発生した場合は2年後に、特定期間に1,000万円の売上が発生した場合は翌年に消費税の支払いが発生します。

これは個人事業、法人どちらも同じ条件です。

ただし、個人事業で消費税の支払い義務が発生しても実際に支払い時期に法人化することで個人事業での消費税は免除されます。

例えば、2018年に個人事業で1,000万円の売上が発生したら2020年に2018年分の消費税を支払う義務がありますが、2020年に法人化することで2018年の消費税は免除されます。

最初から法人化すれば個人事業で得られたであろう消費税免除がなくなるというわけです。

よく言われる法人化の目安売上で1,000万円というのもこの消費税免除を見た数字となっています。

個人事業から法人化への消費税免除期間は最大限使うのがおすすめです。

『株式会社』の文言がなくてもドライバーは集まる

求人誌(タウンワーク)
求人誌(タウンワーク)

ドライバー求人の為に法人化することを検討される方もいらっしゃいますが、『株式会社』の文言がなくてもドライバーは集まります。

確かに求人誌やホームページに『株式会社○○』とあったほうが拍が付いて、ドライバーが集まるような気がします。

しかし、屋号のみでドライバーを集めている事業主も多くいることを忘れてはいけません。

『株式会社』の文言がなくてもドライバーは集まります!安心してください

法人化する場合は所得税・法人税の兼ね合いを見る

課税所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超330万円以下10%97,500円
330万円超695万円以下20%42万7,500円
695万円超900万円以下23%63万6,000円
900万円超1,800万円以下33%153万6,000円
1,800万円超4,000万円以下40%279万6,000円
4,000万円超45%479万6,000円
所得税の早見表
資本金規模所得金額税率
1億円超23.2%
1億円以下800万円超23.2%
800万円以下15.0%
※赤字企業の場合00
法人税の早見表

節税面を考慮して法人化を検討している方は上記の所得税と法人税の早見表を参考にしてください。

個人事業で稼働する場合は所得税のみの表で所得税が決まりますが、法人化する場合は法人での利益と個人が法人から受け取る役員報酬の兼ね合いを見る必要があります。

例えば、個人事業で1,800万円以上の利益(売上ではありません)がある場合の所得税は40%と非常に高額になります。

この場合は法人化して、個人への役員報酬を695万円以下(税率20%)として残り1,105万円は税率23.2%の法人税としたほうが節税となります。

なお、法人化することで経費の範囲も広くなるので、個人事業で軽貨物事業を行うよりもメリットは大きくなる可能性があります。

このように法人化する場合は、法人税と所得税の兼ね合いを見るようにしましょう。

法人でなければ取引できない所がある

取引先によっては法人でなければ仕事を受けられない所もあります。

例えば、大手メーカーの企業配などは法人でなければ取引できないのが多いですが、物流系は法人でなくても契約できる所は多いです。

また、ドライバーを抱えるとドライバーに事業用(黒ナンバー)の軽バンの手配もしてあげたいところですが、カーリース会社によっては法人のみとしている所もあります。

このように法人化する事で取引できる企業が増えるというメリットがあります。

しかし、二次請け、三次請けであればそれらの企業の仕事も受けることができます。

もちろん間に一社入れることで手数料が発生してしまいますが、何かのトラブルの時に間に入ってもらう事で対応してもらえるというメリット(代走の手配など)もあります。

独立してドライバーを現場に配車すると分かる事ですが、ドライバーの寝坊、誤配、交通事故など配送の現場は常にトラブルの連続です。

このトラブル処理能力がない段階でいきなり大きい会社と直契約などすれば、トラブルの対応で首が回らなくなり、最悪損害賠償という最悪の結果も招くことになります。

いきなり法人化して大きな会社へ営業するのはかなり無謀です。

横の繋がりやドライバーが増えてきてから大きな会社との直契約を検討することをおすすめします。

金融機関への借り入れに法人個人での有利不利はあまりない

借入するとしたら個人の時点がよいのか、法人成り後が良いのかという点については
実質同じ事業実態なので法人個人での有利不利はあまり差はありません。

法人成り後に創業融資を受けて返済実績を作り、その後の借入れする点については創業融資に限らず、民間金融機関(信金、地銀)であれば返済実績があると融資相談には非常に親身に乗ってもらえます。

創業融資とは、独立開業する時に必要な資金(人件費、事務所の準備費用、軽バンなど)を金融機関から融資してもらう制度になります。

創業融資には、日本政策金公庫の「新創業融資制度」と、各都道府県・市区町村が用意する「制度融資」の2種類があります。

なお、個人事業主で3期以上の申告が完了してから、個人事業主の形態では創業融資は利用できない可能性が高いです。

法人化する時にかかる費用は約25万円

法人化に必要な費用
  • 印紙税:40,000円
  • 定款認証の手数料:52,000円
  • 登録免許税:150,000円
  • 謄本・本人の印鑑証明書取得費用:2,100円
  • 合計:244,100円
※印紙税・謄本・本人の印鑑証明書取得費用は専門家に依頼する時はかかりません。

法人化する時に必要な費用は約25万円です。

司法書士などの専門家に届け出を代行してもらうのであれば、専門家への依頼良として約10万円ほどかかるのが一般的です。

法人化の届け出自体はそれほど難しくないので経費を削減するのであれば、自分で行ってもいいでしょう。

ただし、法人化の届け出で登記自体は完了してもその後、年金事務所に社会保険の手続きをしたり、社員を雇用するのであれば労働基準監督署に労働保険関係の手続きが必要になったりします。

これらすべてを一人で行うのはかなり骨の折れる作業なので、最初から専門家に依頼してしまうほうがよいでしょう。

ちなみに、法人化する事で期末には決算処理が発生します。

この決算処理は個人ではほぼ不可能なので税理士にお願いすることになりますが、司法書士、税理士を同じグループで抱えている専門家もあります。

このような所はセット料金みたいな感じで、最初の開業費用をまけてくれたりといろいろ融通してくれることもあります。

専門家は(特に税理士)企業においてとても大切なパートナーです。

価格だけではありませんが、実績や軽貨物事業への理解なども考慮して選ぶようにしましょう。

まずは個人事業で軽貨物業をスタートしましょう

いろいろな理由で軽貨物で開業する方がいるので一概には言えませんが、総合的に見ると個人事業から開業した方がメリットは大きいです。

ちなみに現在、法人化している軽貨物事業者もほとんどが個人事業からスタートしています。

これは正確なデータではなく肌感ですが、おそらく90%以上は個人事業を経て法人化しています。

軽貨物業で独立開業する時は法人化のメリット・デメリットを考慮して決めるようにしましょう。

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